低周波治療のメカニズム

電気による最初の治療は今から2000年ほど前の記録に残されています。 ギリシャの医師エートスが通風の治療にシビレエイの生物電気を使用しています。 シビレエイの電気ショックによって、筋肉が刺激を受け、その結果通風の痛みを軽くする、このような治療が行われていました。 この時代には電気という概念がまだなく、どういうものなのか、まだよくわかっていませんでした。 経験的に痛みや麻痺の治療に良いとされ、1000年以上にわたって治療法として続けられてきました。 17世紀よりは科学技術の発展とともに、電気について研究され、電気の性質がだんだんわかってきました。 また、生理学、解剖学の発展により神経や筋肉の働きや電気の刺激にどのような反応をするのかも、わかってきました。

身体の表面から電気を流した場合に、人間の神経や筋肉は、直流の電気に対して、電気を流したときと、切ったときにしか反応しません。 しかし、パルス状の電気に対しては、刺激のあるたびに敏感に反応する。 また、刺激の頻度が多くなり過ぎると(刺激の間隔が短くなると)反応しない。 つまり低い周波数の電気刺激にのみ反応するという性質がわかってきました。(低周波治療器の名前の由来はこのことによります。) このパルス状の電流を皮膚の表面から導子を通して流し、その結果起こる生理作用を利用して治療するのが低周波治療器です。

低周波電流は主に運動神経に作用し、筋肉を刺激・収縮させます。そのポンプ作用で血液・リンパの流れが良くなり、組織の代謝を活発にし、疲労物質をとり、コリや痛みを改善します。 痛みが取れるのは、血行がよくなる結果、発痛物質が取り除かれるためと考えられていますが、痛みを感じる閾値が上がるため痛みを感じなくなるという説、脳への痛みの伝達を抑制するという説もあります。 また、低周波治療の応用として、ハリや指圧におけるツボ刺激と同じように、低周波をツボに通電して治療する方法も研究されています。